🧺 暮らし・その他

「スマホが1円です」は本当にお得? 端末代は通信料に乗っています

🗣️営業トーク

「今なら機種変更で、この端末が1円です。すごくお得ですよ」

結論

端末が1円になるのは、その分を通信料で回収する前提があるからです。判断するのは端末代ではなく「端末代+通信料×利用月数」の総額です。多くの人にとっては、端末を一括で買って格安SIMを使うほうが総額は安くなります。

「今なら機種変更で、この端末が1円です」

10万円する機種が1円。たしかに、そう言われると得に聞こえます。

でも、少し考えてみてください。

🔍CHECK

なぜ、10万円のものを1円で渡せるのでしょうか。

先に結論

この記事の結論

なぜ1円にできるか

端末で値引いた分を、通信料で回収する前提があるからです

▼

だから見るのは

端末代ではなく「端末代 + 通信料 × 利用月数」の総額です

▼

多くの人の答え

端末を一括で買って、格安SIMを使う。総額で見ると、たいていこちらが安くなります

総務省が「1円販売」を問題にしています

まず、これは個別のお店の話ではありません。制度として問題視されてきた売り方です。

携帯電話には、通信料金と端末代金を分けるルールがあります。電気通信事業法第27条の3で、①通信料金と端末代金の完全分離、②行き過ぎた囲い込みの禁止が定められています。

そのうえで総務省は、2023年(令和5年)にこう書いています。

現行の割引上限2万円規制について、導入後の一定期間は、規制の導入効果が現れていたが、「白ロム割」が始まったことにより、再び「1円販売」等の大幅な端末値引きが行われるようになった (総務省「電気通信事業法施行規則等の一部改正」)

そこで規制が見直されました。

改正前 改正後(2023年12月〜)
「白ロム割」 非規制 規制対象に
割引の上限 一律2万円 原則4万円(4万〜8万円の端末は価格の50%、4万円以下は2万円)

💰実際は

「1円販売」は、規制を強化する理由として名指しされた売り方です。 「お得なキャンペーン」というより、制度側が問題だと考えてきた形だということです。

なぜ1円で渡せるのか

理由はシンプルです。端末で損をしても、通信料で取り返せるからです。

図解① お金の流れはこうなっています

お店から見ると

端末を1円で渡す=その場では損

▼

でも

あなたが毎月の通信料を払い続けることで回収できる

▼

だから

端末が安いプランほど、通信料は高めに設定されます

端末代がゼロに近づいた分は、どこかから出ています。出どころは、あなたが毎月払う通信料です。

タダで配っているわけではありません。 支払う場所が、端末代から通信料に移っただけです。

これは「無料」「実質0円」の考え方とまったく同じ構造です。

だから、総額で計算します

考え方はひとつです。月額ではなく総額。

計算式はこれだけです。

端末代 + 通信料 × 月数

たとえば、2年(24か月)使う前提で比べてみます。金額は例なので、必ず自分の契約で計算してください。

端末代 月額 2年の総額
1円スマホ+大手プラン 1円 7,000円 約16.8万円
端末を一括購入+格安SIM 60,000円 2,000円 約10.8万円

同じ2年でも、6万円の差がつきます。端末代だけを見ていると、この差は見えません。

🔍CHECK

端末が1円かどうかではなく、2年・3年でいくら払うか。 ここを比べれば、答えは自分で出せます。

格安SIMとは何か

「格安SIM」という言葉は聞くけれど、よく分からないという方向けに整理しておきます。総務省の説明です。

格安スマホ/格安SIMは、通信設備を持つ会社から、ネットワークを借りて携帯電話サービスを提供しているMVNO(Mobile Virtual Network Operator)と呼ばれる事業者のサービス

NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルのように自社でネットワーク整備をする携帯会社は、MNO (総務省「携帯電話ポータルサイト」)

大手の回線を借りて売っているので、電波そのものは大手のものです。自前で基地局を建てる必要がないぶん、安く提供できます。

ただし、注意点も同じページに書かれています。

店舗が少なくオンライン対応が主となります

ネットワークの一部を借りているため、お昼休みや通勤時間帯、夜間等、通信が混み合う時間ではデータ通信速度が低下する場合もあります

⚠️ここに注意

万人向けではありません。 店頭で相談したい方、昼休みに動画をたくさん見る方は、この2点を確認してから決めてください。

契約前に確認する5つのこと

「1円」と言われたら、この5つを聞いてください。

図解② 「1円です」と言われたら

質問 1

端末代と通信料を足すと、2年でいくらになりますか?

▼

質問 2

その料金は、割引が終わったあといくらになりますか?

▼

質問 3

何か月使うことが条件になっていますか?

▼

質問 4

途中でやめると、いくら請求されますか?

▼

質問 5

その端末は、返却する契約になっていませんか?

質問5は特に大事です。「実質1円」というプランには、一定期間後に端末を返す前提のものがあります。返却時に傷や故障があると追加費用がかかる場合もあります。

質問5について補足します。安い端末プログラムには、「◯年後に端末を返す」ことが条件のものがあります。 その場合、端末は自分のものになりません。返すときの状態によっては、追加でお金がかかることもあります。

「1円で手に入る」と「1円で借りられる」は違います。 契約書のどちらなのかを確認してください。

多くの人にとっての答え

整理すると、こうなります。

💰実際は

端末を一括で買って、格安SIMを使う。 総額で計算すると、多くの人にとってはこれがいちばん安くなります。

端末を自分で買えば、

  • 通信会社を自由に変えられます(縛りがない)
  • 端末は自分のもの(返す必要がない)
  • 通信料が安いぶん、使う期間が長いほど差が開きます

一括で買うのが負担なら、中古端末や型落ちモデルという選択肢もあります。最新機種でなければ困る、という人は実はそう多くありません。

もちろん、大手キャリアには店頭サポートや通信品質という価値があります。それに月々いくら払う価値があるか——判断するのはそこです。

まとめ

「スマホが1円です」

タダではありません。 支払う場所が、端末代から通信料に移っただけです。

  • 総務省は「1円販売」を問題視し、2023年12月に割引の上限規制を強化しました
  • 判断するのは端末代ではなく、端末代 + 通信料 × 月数
  • 「実質1円」には、端末を返す前提のものもあります
  • 多くの人にとっての答えは、端末を一括で買って格安SIM

1円という数字は、単体では意味を持ちません。足し算にして初めて比べられます。

「端末代と通信料を足すと、2年でいくらになりますか?」

この一言で、話は総額に戻ります。


同じ「月々いくら」の見せ方は「スマホとネットをセットにするとお得」は本当?、車では「月々1万円台で新車に乗れます」は本当?で扱っています。

📋 契約前にここを確認

  • 端末代と通信料を足した総額は、何年でいくらになりますか?
  • その料金プランは、割引が終わったあといくらになりますか?
  • 何か月使うことが条件になっていますか?
  • 途中でやめると、いくら請求されますか?
  • 端末を返却する契約になっていませんか?

参照した情報源

  1. 総務省「電気通信事業法施行規則等の一部改正」(割引上限規制の見直し・白ロム割・1円販売)
  2. 総務省「携帯電話ポータルサイト|格安スマホ/格安SIMってなに?」

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