「パソコンがウイルスに感染しています」は本当? 感染していません。画面が出ているだけです
営業トーク
「ウイルスに感染しています。今すぐ下記のサポート窓口までお電話ください。このまま操作を続けると個人情報が流出します」
結論
警告画面が出ただけなら、ウイルスには感染していません。情報処理推進機構が明言しています。画面を閉じれば終わりです。被害が起きるのは、画面に書かれた番号に電話をかけたときです。電話をかけると遠隔操作ソフトを入れさせられ、サポート料金としてプリペイドカードやギフト券の購入を指示されます。2026年4〜6月に同機構へ寄せられた偽警告の相談は1,428件で、集計されている範囲では過去最多です。画面はESCキーの長押しで閉じられます。閉じ方が分からなければ、番号ではなく同機構の窓口に電話してください。
インターネットを見ていると、突然これが出ます。
営業トーク
ウイルスに感染しています。今すぐ下記のサポート窓口までお電話ください。このまま操作を続けると個人情報が流出します
警告音が鳴り、画面いっぱいに広がって、閉じられなくなります。
結論から書きます。
この記事の結論
画面が出ただけなら
感染していません。情報処理推進機構が明言しています
やることは
画面を閉じるだけ。ESCキーの長押しで閉じられます
被害が起きるのは
書かれた番号に電話をかけたときです
だから
電話をかけなければ、金銭被害は起きません
🔴 感染していません
情報処理推進機構の説明です。
画面が表示されただけであれば、パソコンは「コンピュータウイルス」には感染しておらず、「偽セキュリティ警告画面」を閉じるだけで問題ありません。
(情報処理推進機構「偽セキュリティ警告(サポート詐欺)対策特集ページ」)
ウェブサイトが、そういう画面を表示しているだけです。 広告の枠から誘導されることが多いとされています。
閉じ方も書かれています。
画面を閉じるには、ESCキーを長押しして「閉じるボタン」を出現させ、ブラウザを閉じます
タブレットなら「任意の場所をロングタップすると画面中央上部に×マークが表示され、これをタップして閉じる」とされています。警察庁も同じ方法を案内しています。
実際は
ウイルス対策ソフトを買っても、この画面は防げません。 そもそもウイルスではないからです。これは画面の表示であって、感染ではありません。
被害が起きるのは、電話をかけたあとです
機構がまとめている手口の流れです。
図解① サポート詐欺の流れ
①画面が出る
ボタンやウィンドウをクリックすると全画面表示になり、マウスで閉じにくくなる
②電話をかける
不安になる、または閉じられないので表示された番号にかけてしまう
③遠隔操作
大手企業の社員を名乗り、遠隔操作の接続を指南。ここでパソコンの被害が発生
④支払いを指示
サポート料金を請求。コンビニでプリペイドカードを買いに行かせる
⑤番号を伝える
ここで金銭被害が発生します
(情報処理推進機構「サポート詐欺レポート」をもとに作成)
②の前で止まれば、何も起きません。 逆に言えば、②を越えると一気に進みます。
同レポートには、こんな手口も記録されています。
「番号が違う、エラーが出ている」等の理由で、後日返金があるという根拠のない説明をして、もう一度購入してくるように言われ、これを繰り返す
遠隔操作中にAmazonで5万円のギフト券を購入され、ギフトコードを送信された(被害者は気付かず)
警察庁も支払手段を挙げています。「クレジットカード決済や各種ギフトカード、コンビニ決済、電子マネー等」(警察庁「サポート詐欺対策」)。
正規のサポートが、コンビニでプリペイドカードを買ってくるよう指示することはありません。
相談は、いま過去最多です
情報処理推進機構の安心相談窓口に寄せられた「ウイルス検出の偽警告」の相談件数です。
| 期間 | 相談件数 |
|---|---|
| 2025年1〜3月 | 1,084件 |
| 2025年4〜6月 | 912件 |
| 2025年7〜9月 | 647件 |
| 2025年10〜12月 | 789件 |
| 2026年1〜3月 | 1,154件 |
| 2026年4〜6月 | 1,428件 |
(情報処理推進機構「相談状況[2026年第2四半期]」・2026年7月22日公表。前四半期から約23.7%増)
減っていません。 機構はレポートのまとめで「相談件数は今後も同水準で続くと思われる」「被害者をだますための手口も変化し続けると考えられる」としています。
金額は上がっています
国民生活センターが2022年2月24日に公表した資料に、契約金額の推移があります。
| 年度 | 平均契約金額 |
|---|---|
| 2016年度 | 23,722円 |
| 2021年度(12月31日まで) | 141,665円 |
(国民生活センター)
5年で約6倍です。同資料は「60歳以上の消費者が契約当事者となる相談が増加中」とも指摘しています。
支払手段も変わっています。プリペイド型電子マネーが2020年度2,346件から2021年度(12月31日まで)1,821件で急増する一方、クレジットカードは1,112件から428件へ減っています。
ここに注意
⚠️ プリペイドカードやギフト券は、番号を伝えた時点で使われます。 クレジットカードと違い、あとから止めるのが難しい支払手段です。 詐欺の側がこの手段を選んでいる理由が、ここにあります。
電話をかけてしまったら
図解② かけてしまったあとの確認
①話しただけ
遠隔操作も支払いもしていないなら、電話を切るだけです
②遠隔操作を入れた
入れたソフトを削除し、パソコンの状態を専門の窓口に相談してください
③カードで払った
カード会社にすぐ連絡。利用明細も確認してください
④番号を伝えた
プリペイド・ギフト券は取り戻せないことが多いです。窓口に相談してください
⚠️ 「返金します」という連絡が来ても、応じないでください。 機構のレポートには、返金を口実にもう一度購入させる手口が記録されています。一度払った相手から、もう一度取られる形です。
相談先
情報処理推進機構 セキュリティセンター 安心相談窓口 電話 03-5978-7509
警察庁もこの窓口を案内しています。画面の閉じ方が分からないときも、ここに聞けます。 画面に出ている番号ではありません。
消費生活の相談は 188(消費者ホットライン)です。
まとめ
- 🔴 画面が出ただけなら、感染していません。情報処理推進機構が明言しています
- やることは画面を閉じるだけ。ESCキーの長押しで閉じられます
- 🔴 ウイルス対策ソフトでは防げません。 そもそもウイルスではないからです
- 被害が起きるのは電話をかけたあと。遠隔操作→サポート料金の請求→プリペイドカードの購入、という順です
- 正規のサポートが、コンビニでプリペイドカードを買わせることはありません
- 相談件数は2026年4〜6月で1,428件。集計範囲では過去最多です
- 平均契約金額は2016年度23,722円→2021年度141,665円。60歳以上の相談が増加(国民生活センター)
- ⚠️ 「返金します」は、もう一度買わせる口実として使われています
- 閉じ方が分からないときは、画面の番号ではなく03-5978-7509(情報処理推進機構)へ
同じ「不安をあおって急がせる」形の勧誘は「今すぐ外壁塗装が必要です」は本当?にもあります。電子マネーやギフト券で支払わせる手口はSNS型投資詐欺の記事でも扱っています。契約前の共通の確認手順は営業されたら確認する10項目にまとめています。
📋 契約前にここを確認
- その番号に電話しましたか? していなければ、被害は起きていません
- 画面が出ただけですか? ファイルが消えたり動かなくなったりしていますか?
- 遠隔操作のソフトを入れてしまいましたか?
- プリペイドカードやギフト券の番号を伝えてしまいましたか?
- クレジットカードの番号を入力しましたか?
- 家族や職場のパソコンなら、自分だけで判断せず先に相談できますか?